タイトル決定後の最終戦はシボレーに降格裁定。トヨタのサンテロが繰り上げ勝利/STC2000最終戦

 アルゼンチンの首都ブエノスアイレスから北に約320kmのエントレリオス州、アウトドローモ・コンセプシオン・デル・ウルグアイで争われた同国を代表するツーリングカー選手権、新生TC2000(旧スーパーTC2000)の最終第12戦は、早朝からの雨で伏兵が躍動したファイナルで、昨季王者シボレーYPFチームのアグスティン・カナピノ(シボレーYPFクルーズ)が最終ラップの大逆転劇で勝利を収めたかに見えた。

 しかしコミッショナーは「競合に対する危険な動き」としてトップチェッカーの追い抜きを断じ、1ポジション降格のペナルティを課したため、代わって2位フィニッシュを果たしたTOYOTA GAZOO Racing YPFインフィニアのジュリアン・サンテロ(トヨタ・カローラSTC2000)が勝利を手にしている。

週末を支配したマグナスが無念のストップ。金メダルはオランダ代表コロネルの手に/FIA MSGs

 フランス、ポール・リカールで10月26~30日に開催された第2回『FIAモータースポーツ・ゲームス』のうち、世界的に展開されるTCR規定車両を採用した“ツーリングカー・カップ”の競技は、公式練習からグリッド予選、そして予選レースまで全セッションを制圧する勢いを見せたベルギー代表のジル・マグナス(アウディRS3 LMS 2)が、最終メインレースでまさかの事態に。

 30分ヒートのオープニングラップを終え、メインストレートに戻ったところで彼のアウディは力尽き、その横を駆け抜けていった僚友トム・コロネル(アウディRS3 LMS 2)が母国オランダに金メダルをもたらした。

コロネル、バックマン兄、17歳の新鋭モンテネグロも参戦。各国TCR代表が続々確定/FIA MSGs

 2019年にイタリアはバレルンガでの初開催を終えて以降、度重なる延期や大会中止でようやく2度目の開催に漕ぎ着けた“モータースポーツ界のオリンピック”こと第2回『FIAモータースポーツ・ゲームス』に向け、TCR規定を採用したツーリングカー・カップに参戦する各国代表ドライバーが続々と確定。オランダからはトム・コロネル、北欧からはバックマン兄妹の長兄であるアンドレアス、そして南米アルゼンチンからは17歳の新鋭イグナシオ・モンテネグロらが名を連ね、すでにエントリーは2桁台に到達している。

 今季10月26~30日の日程にてフランス、ポール・リカールで開催される同イベントは、スポーツの祭典オリンピックの要素を導入するカテゴリー横断型の国別対抗戦となり、このTCR規定ツーリングカーに加えてGT3規定を採用したGTとそのスプリント部門や、ラリー競技ではラリー4、ラリー2規定にクラシック部門も設定。FIA-F4のフォーミュラやレーシングカートにオートスラローム、ドリフトやバギーを採用したクロスカー、さらに『アセットコルサ・コンペティツィオーネ』を用いたファナテック・Eスポーツ・カップも開催される。

新型『トヨタ・カローラGRS TCR』がデビュー2戦目でポール・トゥ・ウイン/TCRサウスアメリカ第7戦

 創設2年目のシーズンで数多くの話題を振り撒く南半球のTCRリージョン選手権、TCRサウスアメリカ・シリーズの第7戦が、9月17~18日の週末にアルゼンチン・ブエノスアイレスで開催され、前戦で世界デビューを果たした新型『トヨタ・カローラGRS TCR』が早くもポール・トゥ・ウインでの初優勝を達成。この“南米発”の新型TCRマシン開発を託された18歳のホルヘ・バリオが、2戦目にして歴史を作ることとなった。

土曜スプリントはサンテロ、日曜決勝はバリオと、TGRAのトヨタ・カローラが完勝/STC2000第9戦

 南米大陸で“技術的最高峰カテゴリー”を自負するハイテクFFツーリングカー選手権、スーパーTC2000(STC2000)の第9戦が9月11~12日の週末に開催され、TOYOTA GAZOO Racing YPFインフィニアのエース、ジュリアン・サンテロ(トヨタ・カローラSTC2000)が土曜のスプリント戦を制覇。続く日曜ファイナルでも、その僚友を務める18歳の新鋭ホルヘ・バリオ(トヨタ・カローラSTC2000)が大逆転でのシリーズ2勝目を飾り、トヨタ陣営が週末“クリーンスイープ”を達成している。