ヒョンデ副代表、WRCメーカータイトル奪還は厳しい状況になるも「我々はまだ諦めていない」

 ヒョンデ・モータースポーツの副チーム代表を務めるジュリアン・モンセは、ニュージーランドで開催されたWRC世界ラリー選手権第11戦ラリー・ニュージーランド(ラリーNZ)でペース不足となったヒョンデi20 Nラリー1について、問題の解決策を探るようチームに呼びかけた。また、同氏は2022年シーズンのマニュファクチャラータイトル獲得がきわめて困難な状況となった現在も、「まだ諦めたわけではない」と奮起を促している。

 ヒョンデ・シェル・モビスWRTは、第8戦フィンランドから3連勝し、好調の波に乗ってニュージーランド最大の都市オークランドで9月29日から10月2日にかけて開催されたラリーNZに挑んだ。しかし、同ラウンドではトヨタ勢に対して苦戦を強いられ、ライバルにワン・ツー・フィニッシュを許す結果に。期待された4連勝は果たせなかった。

ブリーン、ラリージャパンは新コドライバーのフルトンと参戦へ。ネイグルはWRCスペインで引退

 WRC世界ラリー選手権に参戦しているMスポーツ・フォードWRTは10月11日、次戦スペインをもって引退するポール・ネイグルに代わり、ドイツ人のジェームス・フルトンがクレイグ・ブリーンの新たなコドライバーに指名されたことを明らかにした。新しいペアは最終戦ラリージャパンで初陣を戦うことになる。

 この新しいコンビの結成は、ネイグルが今シーズン途中でのコドライバー引退を発表したことを受けてのもの。44歳の彼は、10月20~23日に開催されるWRC第12戦ラリー・スペインを最後にキャリアにピリオドを打つ。

【動画】10年ぶりの母国ラリー優勝をかけて戦った、ふたりのニュージーランド人WRC2ドライバー対決

 2012年以来、ニュージーランドで10年ぶりに開催されたWRC世界ラリー選手権『ラリー・ニュージーランド』のWRC2クラスでは、地元出身のヘイデン・パッドン(ヒョンデi20 Nラリー2)が優勝。このイベントでWRCデビューを飾ったシェーン-ヴァン・ギズバーゲン(シュコダ・ファビアR5)がクラス3位となり、ふたりのニュージーランド人ドライバーが表彰台に立った。この両名が僅差の戦いの繰り広げた、SS16のオンボード映像がシリーズ公式YouTubeチャンネルで公開されている。

 ラリー初日からクラス首位に立ったパッドン。ヒョンデの元ワークスドライバーである彼は序盤の3ステーレジ連続ベストを皮切りに、その後もクラス2位以上のタイムを並べ、一度もクラスリーダーの座を譲ることなく地元ラリーNZで“完全優勝”を飾った。

急きょ延期となったNHKのWRC番組が10月9日放送へ。日本GPに合わせホンダF1特集の再放送も

 当初、10月2日(日)に放送が予定されていたものの、番組編成の変更により延期となっていた『WRC世界ラリー選手権2022 第6~9戦 第6戦サファリ 第8戦フィンランド』が10月9日(日)にNHK BS1で放送される。

 同番組は、ラリー競技の世界最高峰カテゴリーであるWRCのシーズンを4つのパートに分け、同シリーズをトヨタGRヤリス・ラリー1で戦うTOYOTA GAZOO Racing WRTを中心に振りかえるもの。

WRCラリージャパンを親子で楽しもう。開催市町住民対象の親子招待券プレゼント実施中

 WRC世界ラリー選手権第13戦『フォーラムエイト・ラリージャパン2022』の開催市町住民の親子を対象とした、サービスパーク親子招待券プレゼント・キャンペーンが、10月1日(土)より開始されている。

 ラリージャパン2022は愛知県と岐阜県の両県で、11月10日(木)から13日(日)にかけて実施されるWRC日本ラウンド。愛知県豊田市の豊田スタジアムを拠点に4日間にわたって開催される。

地元NZで10年ぶり開催。世界戦デビューのRSC王者SVGが、WRC2でいきなりの3位表彰台を獲得

 2012年以来、10年ぶりのニュージーランド開催となったWRC世界ラリー選手権第11戦『ラリー・ニュージーランド』に向け、オーストラリアを代表するツーリングカー・シリーズ、RSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップで2度のタイトル獲得を経験する“SVG”ことシェーン-ヴァン・ギズバーゲンが、旧型モデルのシュコダ・ファビアR5でWRC2クラスに参戦。畑の違うラリーの世界選手権デビューで、いきなりの3位表彰台を獲得する快走を披露した。

 RSCの強豪トリプルエイト・レースエンジニアリングのエースとして活躍し、レッドブル・アンポル・レーシングの97号車ホールデン・コモドアZBで今季もディフェンディングチャンピオンとしてシリーズを牽引するSVGは、2020年の新型コロナウイルス(COVID-19)蔓延で世界各国で巻き起こった『eスポーツ勃興期』には、世界中のバーチャルカテゴリーで躍動。

【動画】2022WRC第11戦ニュージーランド ダイジェスト

 9月29日から10月2日にかけて、ニュージーランド最大の都市オークランドを中心にWRC世界ラリー選手権第11戦『ラリー・ニュージーランド』が行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTのカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)が今季6勝目を飾った。これと同時に、22歳のロバンペラが史上最年少でのドライバーズタイトル獲得を確定させた同イベントのダイジェスト動画が、シリーズのYouTube公式チャンネルをはじめ、ヒョンデ、トヨタの各オフィシャルチャンネルで公開されている。

 2022年シーズン最後のグラベル(未舗装路)イベントとなったラリー・ニュージーランドは、WRCイベントとしては10年ぶりの開催となった。同イベントが行われた週末は断続的に雨が降り、コンディションは難しいものとなった。各所でアクシデントが発生するなか、今季幾度も難コンディションで強さを発揮してきたロバンペラは、ここでも持ち前のスピードを披露。デイ3に総合首位に立つと最終パワーステージも制して“フルポイントマーク”でラリーNZを制圧。今季6勝目を挙げるとともに自身初のドライバー選手権タイトルを獲得した。

ヒョンデ、オリバー・ソルベルグと2023年の契約を結ばず。経験豊富なクルーを起用する意向/WRC

 10月6日、WRC世界ラリー選手権に参戦しているヒョンデ・モータースポーツ(ヒョンデ・シェル・モビスWRT)は、同チームとオリバー・ソルベルグとの間で来季の契約を結ばないことを確認した。これにより21歳のソルベルグは、ヒョンデの2023年ラインアップから外れることとなった。

 ヒョンデの育成プログラム出身ドライバーであるソルベルグは今シーズン、チームメイトのダニ・ソルドと3台目の『ヒョンデi20 Nラリー1』をシェアするかたちでシリーズのトップカテゴリーに参戦。8月に行われた第9戦イープル・ラリー・ベルギーではキャリアベストとなる総合4位フィニッシュを果たした。

WRC新王者は日本車も収集する“クルマ大好き少年”。勝田貴元が語るロバンペラの強さと素顔

 ニュージーランドの北島、オークランドを中心に開催されたWRC世界ラリー選手権第11戦『ラリー・ニュージーランド』は歴史的なイベントとなった。10年ぶりの復活開催という意味でもそれは当てはまるが、一番の要因はWRC史上最年少チャンピオンが誕生した点だ。

 このグラベル(未舗装路)イベントで優勝し、22歳1日という若さで今季のドライバーズチャンピオンを確定させたトヨタのカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)について、彼のチームメイトでありプライベートでも仲の良い勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)に、ラリー後のオンライン取材会で話を聞いた。

ラトバラも誕生日を祝福、大破のGRヤリスにオジエ唖然。厳選写真で振り返るラリーNZ:前編【WRC Topic】

2012年以来、10年ぶりにWRCイベントとして開催された『ラリー・ニュージーランド』では、WRC世界ラリー選手権の歴史に新しい1ページが加わった。何を隠そう弱冠22歳のカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)が、史上最年少でワールドチャンピオンに輝いたのだ。これまでの最年少レコードは故コリン・マクレーの27歳109日であったことから、トヨタの新王者はその記録を大幅に更新したことになる。今回のWRC Topicでは、この歴史的瞬間が生まれた週末のラリーを現地で取材していた、モータースポーツジャーナリスト/フォトグラファーの古賀敬介さん厳選の写真を半フォトギャラリー・半ブログ形式で紹介する。まずは前編からどうぞ。