F1ラスベガスGPの決勝レースは土曜22時スタートに決定。連戦の最終戦に向けクルーは徹夜での作業が必須に

 2023年のF1ラスベガスGPは、土曜日に行われるだけでなく、F1の72年の歴史のなかでも最も遅い時間に行われる華やかなイベントになるようだ。

 シン・シティと呼ばれるラスベガスは、2023年シーズンにアメリカでの3つ目のグランプリを開催することになる。11月18日の、F1世界選手権の最後からふたつ目のレースだ。この話題のイベントは、恒例の日曜日ではなく、土曜日に開催される。これは土曜開催だった1985年のキャラミでの南アフリカGP以来のことだ。ちなみにこのレースではナイジェル・マンセルが優勝した。

アルファタウリF1にデ・フリース、アルピーヌにガスリーで決着か。残りの空席ふたつに噂される4人の候補

 レッドブルは、イタリアGPで鮮烈なF1デビューを飾ったニック・デ・フリースとの間で、2023年のアルファタウリ加入について大筋において合意したとの説が持ち上がっている。レッドブルの関係者からの情報によると、デ・フリースとは2023年からの2年契約を結び、それによってピエール・ガスリーはアルピーヌ移籍が可能になるという。それが事実であれば、2023年のF1空きシートを持つのはウイリアムズとハースのみということになる。

 レッドブルとデ・フリースとの契約にはこれから詰める必要がある詳細事項が多数残っている。さらにデ・フリースは今週アルピーヌA521でのテストの予定もあるため、合意がなされたという話が事実だとしても、まだ発表の段階ではないだろう。

アルファタウリF1コラム:アップデートの理解が深まり、パフォーマンス改善が見えた3連戦。角田は予選一発の安定感を発揮

 シーズン後半戦のスタートを飾る3連戦で、アルファタウリにはポジティブとネガティブの両面があった。

 ポジティブだったのは、マシンにポテンシャルがあったということだ。第14戦ベルギーではやや苦戦してピエール・ガスリーが予選12番手止まりだったものの、角田裕毅もフロアダメージ起因のターン13でのスナップがなければ同等のタイムが出せていたはずだ。そして2台ともにピットレーンスタートとなったもののガスリーが入賞を果たす速さを見せた。第15戦オランダ、第16戦イタリアでもQ3に進出し、シーズン前半戦に停滞していたピュアパフォーマンスを改善できたのは大きかった。

カナダGP以降入賞から遠ざかっていたアルファロメオF1。ボッタスは「僕たちの弱点は生産スピード」と指摘

 バルテリ・ボッタスは、アルファロメオF1の今シーズン最大の弱点は、開発スピードが遅すぎることだと考えている。アップデートパーツの製作に時間がかかりすぎることなどが響いているという。

 アルファロメオは2022年シーズンの前半は順調にポイントを重ねた。チームの51ポイントのうち、ボッタスが大部分を稼いだ。しかし6月のカナダGP以降、アルファロメオは1ポイントしか獲れていない。直近のイタリアGPで周冠宇が10位に入り獲得したものだ。

フェルスタッペン陣営、個人スポンサー『Jumbo』社のCEOのマネーロンダリングと詐欺疑惑に慎重な姿勢

 マックス・フェルスタッペン(レッドブル)のマネージャーを務めるレイモンド・フェルムーレンは、フェルスタッペンの長年の個人スポンサーである『Jumbo』社のCEOが、先週マネーロンダリングの容疑をかけられたことについて「慎重になる必要がある」と述べている。

 オランダのスーパーマーケットチェーンのCEOであるフリッツ・ファン・イエルトは、先週火曜日にマネーロンダリングと税金詐欺の疑いでオランダで逮捕され拘留された。その前にはオランダの金融税務犯罪局と検察庁による捜査の一環として、彼の自宅とその他数カ所でオランダ警察による家宅捜索が行われていた。

F1モナコGP継続が決定。2025年までの新たな3年契約締結が発表

 フォーミュラ1は、9月20日、モナコ自動車クラブとF1モナコGP開催についての新たな3年契約を結び、同グランプリを2025年まで開催することが決定したと発表した。

 モンテカルロのストリートサーキットでの伝統のグランプリは今年で契約が終了し、カレンダーに残るのかどうか定かではない状況が続いていた。モナコGP継続を切望する声が高まるなか、F1は2023年カレンダー発表に先立ち、モナコと2025年までの開催契約を結んだことを明らかにした。来年、モナコGPは第8戦として5月28日に開催される。

2023年F1カレンダーが承認。3月5日開幕の史上最多24戦、日本GPは9月24日

 FIAは、9月20日、F1世界選手権の2023年カレンダーが、世界モータースポーツ評議会のメンバーによる電子投票により承認されたことを発表した。明らかになったカレンダーには、事前の予想どおり史上最多の24戦が組まれている。

 新グランプリとしてラスベガスGPが加わり、土曜のナイトレースとして開催される。また、中国GPとカタールGPが復活、フランスGPがなくなり、今季の22戦から24戦へと拡大された。継続かどうかが懸念されたモナコGPは契約が延長されたことが明らかになっている。

ピアストリを失ったアルピーヌF1、若手ドライバー育成プログラム終了について検討

 アルピーヌCEOのローラン・ロッシは、育成ドライバーであるオスカー・ピアストリの離脱により、今後若手ドライバーを支援するドライバーアカデミーの活動を終了することもあり得ると述べた。

 数年にわたりサポートしてきたピアストリを2023年にレースドライバーに昇格しようとしたアルピーヌだが、ピアストリはそれを拒否した。FIA契約承認委員会が審査した結果、ピアストリとマクラーレンの契約が承認されたため、アルピーヌは彼を失うことになった。

 アルピーヌのチーム代表オットマー・サフナウアーもロッシも、ピアストリには忠誠心が欠けているとして強く非難している。

苦しみ続けたメルセデスF1「W13の暗号を解いた。コンセプトの変更は必要ない」

 2014年から2020年まで、F1において圧倒的優勢を誇ってきたメルセデスF1は、2021年に激しい議論を引き起こした状況下でドライバーズタイトルを失った後、今年はまだ一勝も飾ることができずにいる。2022年型マシンW13のパフォーマンスが安定しないことに苦労していたためだが、チームはようやくW13の問題の核心を突き止めたことから、来年シャシーコンセプトを一新しなければならないとは考えていないと述べている。

 トラックサイドエンジニアリングディレクターのアンドリュー・ショブリンは、イタリアGPの週末、ポルトガルの『Sport TV』に対し、次のように語った。

「多くの状況下でマシンがうまく機能せず、他のやり方をすると競争力が極めて高くなるという状況について、今ではすべての原因を突き止めている」

【全ドライバー独自採点/F1第16戦】話題をさらったルーキー、デ・フリース。急な代役出場で非の打ち所がない走り

 長年F1を取材しているベテランジャーナリスト、ルイス・バスコンセロス氏が、全20人のドライバーのグランプリウイークエンドの戦いを詳細にチェック、独自の視点でそれぞれを10段階で評価する。今回はイタリアGPでの戦いぶりを振り返る。

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■評価 10/10:準備不足の状態で完璧なパフォーマンスを発揮したデ・フリース

ニック・デ・フリース(ウイリアムズ):予選13番手/決勝9位

 ルーキーのニック・デ・フリース(ウイリアムズ)が話題をさらった週末だった。イタリアでアレクサンダー・アルボンの病欠により思わぬチャンスが訪れ、夢のようなデビューを飾ったデ・フリース。5月のスペインGPにおいてウイリアムズからFP1走行を経験した後、フランスではメルセデスから、イタリアではアストンマーティンからFP1に参加した。とはいえ、ウイリアムズに関する最新情報は知らず、ピレリC4タイヤでの経験もなく、もちろんF1レースで走ったこともない。そんな彼がFP3で36分走っただけで、予選に臨まなければならなかった。