ポルシェ963のデイトナ参戦はワークス車のみの公算大。カスタマーカーの用意は「非常に難しい」

 2023年から新しいLMDhカーをWEC世界耐久選手権と、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の両方で走らせるポルシェは、できるだけ早期に『ポルシェ963』のカスタマーカーを顧客の手に渡そうと「プッシュしている」という。しかし、ポルシェ・モータースポーツのトーマス・ローデンバッハは、これらの新型マシンがデイトナ24時間に間に合う可能性を基本的に否定している。

 来年のWECハイパーカークラスと、IMSAのDPiクラスに取って代わるGTPクラスに向けて、計4台のポルシェ963を顧客に割り当てているドイツのメーカーは、プライベーターチームがクルマを受け取る時期を確定させていない。

可夢偉とコンウェイ、キャデラックでのIMSA参戦終了を正式表明。一方ハートレーは来季もアキュラで出場へ

 トヨタGAZOO RacingからWEC世界耐久選手権に参戦しているマイク・コンウェイと小林可夢偉は、2023年のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権にキャデラック陣営からは参戦しないことを、ともに明らかにした。

 ふたりは2022年、アクション・エクスプレス・レーシング(AXR)がオペレートするキャデラックDPi-V.R.の31号車(ウェーレン・エンジニアリング・レーシング)と48号車(アリー・キャデラック)のエンデュランス・カップ戦における追加ドライバーとしてIMSAに出場、最終戦のモチュール・プチ・ル・マンではともに総合表彰台を獲得したが、これがキャデラックにおけるラストレースとなった。

衝撃のチップ・ガナッシ同士撃ち。ジャービス/ブロンクビスト組アキュラが逆転でタイトル獲得/IMSAプチ・ル・マン

 10月1日、アメリカ・ジョージア州のミシュラン・レースウェイ・ロード・アトランタで、2022年IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権最終戦『モチュール・プチ・ル・マン』10時間レースが行われ、メイヤー・シャンク・レーシング(MSR)の60号車アキュラARX-05(オリバー・ジャービス/トム・ブロンクビスト/エリオ・カストロネベス)が総合優勝を飾り、ジャービスとブロンクビストが2022年シーズンのDPiドライバーズタイトルを獲得した。

 この最終戦の前までチャンピオンシップをリードしていたウェイン・テイラー・レーシング(WTR)10号車アキュラのリッキー・テイラー/フィリペ・アルバカーキ組(このレースではブレンドン・ハートレーが第3ドライバーとして加わっていた)は、残り14分まで60号車との直接対決を演じていたが、接触の影響でサスペンションにダメージを受け、レースをフィニッシュすることができなかった。

■残り1時間で起きたふたつのドラマ

リシ・コンペティツィオーネが将来のLMH参戦を検討中。2023年IMSAにはフェラーリ296 GT3で出場決定

 リシ・コンペティツィオーネのチームオーナーであるジュゼッペ・リシは、2023年のデビューに向けフェラーリが開発中の新型ル・マン・ハイパーカー(LMH)を使ってレースに参戦する可能性を「探っている」と、現在開催されている2022年IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権最終戦のプチ・ル・マンにおいて語った。

 また、リシは2023年のデイトナ24時間やセブリング12時間に、新型296 GT3で出場することを明言している。

マキシム・マルタン、プチ・ル・マンを最後に5年間在籍のアストンマーティンを離脱へ

 マキシム・マルタンは今週末、ジョージア州のロード・アトランタで開催されるモチュール・プチ・ル・マンで、アストンマーティンのファクトリードライバーとして最後のレースを戦う。

 マルタンは、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の今季最終戦として実施される10時間レースに、ロマン・デ・アンジェリス、イアン・ジェームスとともにハート・オブ・レーシングチームの27号車アストンマーティン・バンテージGT3で出場する。

「レースをしろ」DPi最終レースでタイトル争うアキュラ勢にオーダーなし/IMSAプチ・ル・マン

 いよいよ今週末の10月1日、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の2022年シーズンは、伝統の『プチ・ル・マン』で最終戦を迎える。このロード・アトランタを舞台にした10時間レースは、現行の最高峰規定&クラスである『DPi』の最後のレースでもある。2023年からは、LMDh車両が争う『GTP』クラス(規定上はル・マン・ハイパーカー車両も参戦可能)へと、IMSA最高峰カテゴリーは生まれ変わる予定だ。

 このDPi最終レースでタイトルを争うのはウェイン・テイラー・レーシング(WTR)とメイヤー・シャンク・レーシング(MSR)という、ふたつのアキュラARX-05使用チームだ。ホンダ・パフォーマンス・デベロップメント(HPD)社長のデビッド・ソルターズは、いずれのチームもアキュラから「レースをしろ」という指示を超える特別な命令を受けることはない、と明言してメーカーオーダーの存在を否定。さらにソルターズは、今季を「極めて記録的な」一年であると評価している。

オーナーが一時拘束されたレーシングチーム・ネーデルランド、プチ・ル・マンを欠場を発表/IMSA

 9月27日、レーシングチーム・ネーデルランドは、チームオーナー兼ドライバーのフリッツ・バン・イアードの“個人的な事情”を理由に、今週土曜日に決勝レースが行われるIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権最終戦プチ・ル・マンへのエントリーを取り消すと発表した。

 今シーズン、TDSレーシングが運営するオランダのLMP2チームは、バン・イアードとギド・バン・デル・ガルデ、ディラン・マリーのトリオでIMSAシリーズ内の“ミシュラン・エンデュランスカップ”に参戦。出場予定だった今週末の最終戦を前にポイントランキング2位につけていた。

ファーフス、BMWの開発状況に自信。新型LMDhは「正しい道を進んでいる」/IMSA

 BMW MチームRLLのフルタイムドライバーとして、来季のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権GTPクラスで新型LMDhマシンをドライブするアウグスト・ファーフスとニック・イェロリーは、BMW MハイブリッドV8がこれまでのテストにおいて有望な進歩を遂げ、箱から出してすぐにでも競争力を発揮することができると考えている。

 ファーフスとイェロリーは先週、同じくBMWワークスドライバーであるコナー・デ・フィリッピ、フィリップ・エングとともにBMW MチームRLLでIMSA GTPの最初のフルシーズンを戦うドライバーとなることがアナウンスされた。

小林可夢偉、ブレンドン・ハートレーも出場。“DPiラストレース”のプチ・ル・マンに48台が参戦へ/IMSA

 北米でスポーツカーレースを統括するIMSAは9月21日、10月1日にジョージア州のミシュラン・レースウェイ・ロード・アトランタで開催するウェザーテック・スポーツカー選手権最終戦のエントリーリストを発表した。5クラス計48台の車両が名を連ねている。

 IMSAの今季最終戦となるプチ・ル・マンは、同時に最高峰カテゴリーDPiのラストレースともなる。来季からはACOフランス西部自動車クラブ/FIAとのコラボレーションに基づく『LMDh』車両によるトップカテゴリー、『GTP』へと生まれ変わるからだ。

『JUMBO』CEOのジェントルマンドライバー、フリッツ・バン・イアードがオランダ当局により身柄拘束との報道

 IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のLMP2クラスに参戦しているレーシングチーム・ネーデルランドのフリッツ・バン・イアードが、大規模なマネーロンダリング捜査における容疑者のひとりとしてオランダ当局に身柄を拘束されたと、複数のメディアが報じている。