ラウンドごとに長いインターバルを挟んできた2022年TCRオーストラリア・シリーズも、11月11日~13日に“聖地”での最終戦バサースト・インターナショナルの週末を迎え、カンガルーが発見されセーフティカーが導入されたレース1では、ベイリー・スウィーニー(HMOカスタマー・レーシング/ヒョンデi30 N TCR)が今季2勝目をマーク。
週末を支配したマグナスが無念のストップ。金メダルはオランダ代表コロネルの手に/FIA MSGs
フランス、ポール・リカールで10月26~30日に開催された第2回『FIAモータースポーツ・ゲームス』のうち、世界的に展開されるTCR規定車両を採用した“ツーリングカー・カップ”の競技は、公式練習からグリッド予選、そして予選レースまで全セッションを制圧する勢いを見せたベルギー代表のジル・マグナス(アウディRS3 LMS 2)が、最終メインレースでまさかの事態に。
30分ヒートのオープニングラップを終え、メインストレートに戻ったところで彼のアウディは力尽き、その横を駆け抜けていった僚友トム・コロネル(アウディRS3 LMS 2)が母国オランダに金メダルをもたらした。
コロネル、バックマン兄、17歳の新鋭モンテネグロも参戦。各国TCR代表が続々確定/FIA MSGs
2019年にイタリアはバレルンガでの初開催を終えて以降、度重なる延期や大会中止でようやく2度目の開催に漕ぎ着けた“モータースポーツ界のオリンピック”こと第2回『FIAモータースポーツ・ゲームス』に向け、TCR規定を採用したツーリングカー・カップに参戦する各国代表ドライバーが続々と確定。オランダからはトム・コロネル、北欧からはバックマン兄妹の長兄であるアンドレアス、そして南米アルゼンチンからは17歳の新鋭イグナシオ・モンテネグロらが名を連ね、すでにエントリーは2桁台に到達している。
今季10月26~30日の日程にてフランス、ポール・リカールで開催される同イベントは、スポーツの祭典オリンピックの要素を導入するカテゴリー横断型の国別対抗戦となり、このTCR規定ツーリングカーに加えてGT3規定を採用したGTとそのスプリント部門や、ラリー競技ではラリー4、ラリー2規定にクラシック部門も設定。FIA-F4のフォーミュラやレーシングカートにオートスラローム、ドリフトやバギーを採用したクロスカー、さらに『アセットコルサ・コンペティツィオーネ』を用いたファナテック・Eスポーツ・カップも開催される。
フランコ・ジロラミが予選で初戴冠も強豪チーム間で“情報盗難”告発の泥試合に/TCRヨーロッパ最終戦
全7戦のシーズンフィナーレとして、10月14~15日にスペイン・バルセロナで開催された2022年TCRヨーロッパ・シリーズ最終戦は、週末にわずか7点を獲得するだけで初チャンピオンが確定する圧倒的優位を築いて乗り込んだフランコ・ジロラミ(コムトゥユーPSSチーム・アウディスポーツ/アウディRS3 LMS 2)が、予選で4番手グリッドを確保し、今季最後の2ヒートを残して早々にシリーズタイトルを確定する展開に。
その一方、ジロラミの所属するアウディスポーツトップカスタマーのコムトゥユー・レーシングに対し、同じくヒョンデ・モータースポーツの強豪チームとして参戦するターゲット・コンペティションが、日曜に「知的財産の盗難」を告発する非難の声明をリリース。これにチャンピオンチームが「断固否定」の態度で応じるなど、スキャンダル勃発の泥試合と化す後味の悪い状況に陥った。
TCRヨーロッパの2023年カレンダー発表。オーストリアとハンガリー復活、WTCRとの日程重複も回避へ
10月14~15日にスペイン・バルセロナで2022年のタイトル決定戦を控えるTCRヨーロッパ・シリーズが、来季2023年に向けた全7戦のスケジュールを発表。今季の併催戦で軸となったDTMドイツ・ツーリングカー選手権との協力体制を解消し、新たにインターナショナルGTオープン選手権を中心にサポートする構成へと回帰した。結果、ドイツ国内のニュルブルクリンクやノリスリンク市街地戦が消滅し、2019年以来となるハンガロリンクや、レッドブルリンクの復活が予定されている。
2018年のシリーズ創設以降、前出のGT OpenやWTCR世界ツーリングカー・カップとの日程共有でイベントを開催してきたTCRヨーロッパだが、昨季はそのパートナーをファナテック・GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ(GTWCヨーロッパ)にシフトし、今季2022年はDTMと2戦を併催するなど、相対的にドイツでの存在感を増すカレンダー構成となっていた。
SLRのジョン・フィリピが雨の高速戦で勝利。ネストール・ジロラミも初戴冠に王手/TCRヨーロッパ第6戦
9月23~25日にイタリア伝統の高速トラック、モンツァで開催された2022年TCRヨーロッパ・シリーズ第6戦は、雨絡みの予選で自身約2年ぶりのポールポジションを獲得したジョン・フィリピ(セバスチャン・ローブ・レーシング/クプラ・レオン・コンペティションTCR)が、続くレース1でも一時ポジションを奪われながらも逆襲に転じ、難コンディションのなかポール・トゥ・ウインを達成。リバースグリッドのレース2は、選手権リーダーのフランコ・ジロラミ(コムトゥユーPSSチーム・アウディスポーツ/アウディRS3 LMS 2)が制し、最終戦を前にしてタイトルに王手を掛けている。
新型『トヨタ・カローラGRS TCR』がデビュー2戦目でポール・トゥ・ウイン/TCRサウスアメリカ第7戦
創設2年目のシーズンで数多くの話題を振り撒く南半球のTCRリージョン選手権、TCRサウスアメリカ・シリーズの第7戦が、9月17~18日の週末にアルゼンチン・ブエノスアイレスで開催され、前戦で世界デビューを果たした新型『トヨタ・カローラGRS TCR』が早くもポール・トゥ・ウインでの初優勝を達成。この“南米発”の新型TCRマシン開発を託された18歳のホルヘ・バリオが、2戦目にして歴史を作ることとなった。