レッドブルF1のコストキャップ違反問題:マクラーレンが“不正行為”と批判、厳罰を求め、FIAに要望書を提出

 レッドブル・レーシングがドライバーズタイトルを獲得した2021年にF1コストキャップレギュレーションに違反し、支出が上限額を超過していたとFIAが発表したことを受け、マクラーレン・レーシングCEOザク・ブラウンは、支出超過は“不正行為”であると強く批判、違反者に厳しい処罰を科すよう求める要望書をFIAに送った。

 2021年からF1チームに対するコストキャップが導入され、この年の支出上限額が1億4500万ドル(約216億円)に定められた。各チームが提出した財務書類の監査を行ったFIAは、今年の10月10日にその結果を発表。2021年にレッドブル・レーシングは手続き上の違反に加え『軽微な支出超過違反(Minor Overspend Breach)』を犯していたこと、アストンマーティンは手続き上の違反を犯していたことを発表した。ペナルティについてはまだ決定されていない。

マリオ・アンドレッティがラグナ・セカでマクラーレンMP4-28をドライブ「思い通りに走れた。満足の行く結果だ」

 今年82歳になったモータースポーツ界のレジェンド、マリオ・アンドレッティが10月15日、ラグナ・セカサーキットでマクラーレンMP4-28をドライブした。走行を終えたアンドレッティは、「『やりたいことリスト』に書いてあった大きな願いが叶ったよ。これに比べたらあとはおまけのようなものだ」と語った。

 1978年のF1ワールドチャンピオンであるマリオ・アンドレッティが今回F1マシンをドライブできたのは、マクラーレン・レーシングCEOのザク・ブラウンがある約束を守ったからだ。それは、この5月に初めて開催されたF1マイアミGPのグリッド上で、アンドレッティとブラウンが交わした約束だ。

レッドブルF1の技術チームは「これまでのなかで最強」とホーナー代表。ホンダやエクソンモービルも称賛

 レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、現在のレッドブルの技術チームについて、チームのF1レースの歴史が始まって以来最強のものだと考えている。

 レッドブルは、2013年以来、またセバスチャン・ベッテルが圧倒的な優位を誇った時代以来となるコンストラクターズタイトル獲得を目前に控えている。多くの功績は、象徴的なチーフテクニカルオフィサーのエイドリアン・ニューウェイによるものだろう。ニューウェイは、近年はレッドブル傘下の他のプロジェクトに取り掛かるために一歩下がっていたが、その後オペレーションの最前線に復帰した。

【日本GP特別コラム/野尻智紀】スクール時代の角田裕毅の思い出。F1鈴鹿で感じた自身のタイトル争いへの大きな収穫

 まだまだ日本GP鈴鹿の余韻が残る、今季のF1シーズン。今月末に国内のスーパーフォーミュラでチャンピオン2連覇に挑む、野尻智紀(TEAM MUGEN)にとっても3年ぶりの鈴鹿でのF1開催は大きな刺激になったようだ。現役の国内ドライバーが今年のF1マシン、そして現役F1ドライバーの活躍、さらに同じ日本人ドライバーの角田裕毅をどのように見るのか。オートスポーツwebならではの、日本GPスペシャル企画第2弾をお届けします。

【F1チーム代表の現場事情:レッドブル】激怒と沈黙。コストキャップ違反問題への対処に苦慮するホーナー

 大きな責任を担うF1チーム首脳陣は、さまざまな問題に対処しながら毎レースウイークエンドを過ごしている。チームボスひとりひとりのコメントや行動から、直面している問題や彼のキャラクターを知ることができる。今回は、レッドブル・レーシングのチーム代表クリスチャン・ホーナーに注目した。

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 レッドブルが今シーズン最も喜ぶべき瞬間を迎えたこの時期に、クリスチャン・ホーナー代表は大きな事件に直面し、強いプレッシャーのなかで過ごさなければならなかった。

 シンガポールGPは、マックス・フェルスタッペンが2022年ドライバーズタイトルを決める可能性がある最初のグランプリだった。しかしその週末に大きな注目を集めたのは他の話題だった。レッドブルが2021年にバジェットキャップ規則に違反し、ペナルティを受ける可能性があるという報道がなされ、そのトピックで持ちきりになってしまったのだ。

【全ドライバー独自採点/F1日本GP】新王者フェルスタッペンがウエットで別次元の速さ。冷静でなかったガスリー

 長年F1を取材しているベテランジャーナリスト、ルイス・バスコンセロス氏が、全20人のドライバーのグランプリウイークエンドの戦いを詳細にチェック、独自の視点でそれぞれを10段階で評価する。今回は日本GPでの戦いぶりを振り返る。

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■評価 10/10:難コンディションで驚異的な速さを発揮。勝利でタイトルを決めたフェルスタッペン

マックス・フェルスタッペン(レッドブル):予選1番手/決勝1位
エステバン・オコン(アルピーヌ):予選5番手/決勝4位

 マックス・フェルスタッペン(レッドブル)の2022年ドライバーズタイトル確定の瞬間は、レギュレーションの解釈の問題でいささか混乱したが、彼自身の日本GPでのパフォーマンスは圧倒的だった。

ウイリアムズF1、2023年はアルボンと戦えるドライバーを求める「互いにプッシュして、Q2やQ3に進むことが必要」

 ウイリアムズは、2023年にアレクサンダー・アルボンのチームメイトとなるドライバーをまだ選んでいないが、チームは自分たちが何を探しているのか分かっている。すべてのレースでアルボンと戦うことができるドライバーだ。

 ニコラス・ラティフィは、3シーズンをウイリアムズで過ごし、今シーズン末でチームを去る。残念ながら2020年からのラティフィの成績とパフォーマンスは、ジョージ・ラッセルとアルボンのふたりのチームメイトと比較すると、チームがラティフィを留める動機にはほとんどならなかった。

メルセデスF1、アメリカGPで今季最後の空力アップグレード。パーツの軽量化で最低重量に近づくことにも期待

 メルセデスF1チームは、F1第19戦アメリカGPでW13に今シーズン最後のアップグレードを施す計画を立てている。これによってパフォーマンスが向上し、2023年シーズンに向けた学習にもなることをチームは期待している。

 今年のメルセデスは、2022年型F1マシンW13から期待どおりのパフォーマンスを引き出すことに苦労している。パフォーマンス不足の一因は、マシンの重量が重いことであり、シーズン当初にはレギュレーションで規定された最低重量を12kgもオーバーしていたともいわれている。

ニック・デ・フリースがアルファタウリF1でシート合わせ。最終戦後のヤングドライバーテストへの準備か

 スクーデリア・アルファタウリは、2023年に加入するニック・デ・フリースがファクトリーを訪れ、シート合わせを行ったことを明かした。

 メルセデスのサポートを受けてキャリアを築き、FIA F2とフォーミュラEでチャンピオンを獲得した経験を持つデ・フリースが、2023年、ピエール・ガスリーに代わってアルファタウリのレースドライバーとなり、F1デビューを果たすことが、10月8日に発表された。

角田裕毅、F1で3年目を迎える2023年は「チームに一貫したフィードバックを与える」ことを目標に据える

 アルファタウリF1の角田裕毅は、2023年シーズンに向けた課題として、今まで以上にチームにフィードバックをする必要があると語った。

 9月22日、アルファタウリは角田が来季もチームに残留することを発表した。自身にとってF1での3年目となるシーズンが決定したことで勢いに乗りたい角田だが、今季は苦戦が続いている。