新旧WRC王者を擁すトヨタ、次戦ラリー・スペインの目標はマニュファクチャラーズタイトル獲得

 WRC世界ラリー選手権に参戦しているTOYOTA GAZOO Racing WRTは、10月21~23日に開催される2022年シーズン第12戦『ラリー・スペイン』に、セバスチャン・オジエ/ベンジャミン・ヴェイラス組(トヨタGRヤリス・ラリー1)、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)、新チャンピオンのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)という布陣で臨む。チームがこの大会で狙うのはマニュファクチャラーズタイトルの獲得だ。

 スペイン北東部のリゾート地サロウを拠点とするラリー・スペインは、今シーズン3戦目となるピュア・ターマック(舗装路)ラリー。前回ラウンドのラリー・ニュージーランドで総合2位に入ったオジエは、スペインで過去3回の優勝経験があり、エバンスも昨年の大会で総合2位に入っている。

代表を兼ねる可夢偉への敬意。“平川の次”の若手は「自覚と準備次第」【中嶋一貴TGR-E副会長インタビュー後編】

 2021年限りでレーシングドライバーを引退した、3度のル・マン・ウイナーにして4輪初の日本人世界選手権覇者、中嶋一貴。昨年末、その引退発表と同時にトヨタGAZOO Racing・ヨーロッパ(TGR-E)の副会長に就くことが明らかにされ、“異色のセカンドキャリア”を歩むこととなった。

 1月の就任以来、一貴副会長はドイツ・ケルンをベースにWEC世界耐久選手権やWRC世界ラリー選手権の現場に赴き、さらにその合間には日本を4往復するなど、多忙な日々を送っている。

 副会長としての新たな仕事内容などについて聞いた前編につづき、この後編ではWECチーム代表を兼ねる小林可夢偉や、今季最高峰クラスにデビューした平川亮、さらにその先のドライバー育成などについて、話を聞いた。

ロバンペラ親子の抱擁、8冠オジエから新王者へのプレゼント。厳選写真で振り返るラリーNZ:後編【WRC Topic】

 WRC世界ラリー選手権のイベントとして10年ぶりに開催された『ラリー・ニュージーランド』で、シリーズの歴史に新しい1ページが加わった。何を隠そう弱冠22歳のカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)が、史上最年少でワールドチャンピオンに輝いたのだ。これまでの最年少レコードは故コリン・マクレーの27歳109日であったことから、トヨタの新王者はその記録を大幅に更新したことになる。

 今回のWRC Topicでは、この歴史的瞬間が生まれた週末のラリーを現地で取材していた、モータースポーツジャーナリスト/フォトグラファーの古賀敬介さん厳選の写真を半フォトギャラリー・半ブログ形式で紹介します。前編から少し間が開きましたが、お待ちかねの後編をどうぞ。
※一部ショッキングな写真が含まれています。苦手な方はご注意ください。

ヒョンデ副代表、WRCメーカータイトル奪還は厳しい状況になるも「我々はまだ諦めていない」

 ヒョンデ・モータースポーツの副チーム代表を務めるジュリアン・モンセは、ニュージーランドで開催されたWRC世界ラリー選手権第11戦ラリー・ニュージーランド(ラリーNZ)でペース不足となったヒョンデi20 Nラリー1について、問題の解決策を探るようチームに呼びかけた。また、同氏は2022年シーズンのマニュファクチャラータイトル獲得がきわめて困難な状況となった現在も、「まだ諦めたわけではない」と奮起を促している。

 ヒョンデ・シェル・モビスWRTは、第8戦フィンランドから3連勝し、好調の波に乗ってニュージーランド最大の都市オークランドで9月29日から10月2日にかけて開催されたラリーNZに挑んだ。しかし、同ラウンドではトヨタ勢に対して苦戦を強いられ、ライバルにワン・ツー・フィニッシュを許す結果に。期待された4連勝は果たせなかった。

「まったく違和感がない(笑)」新たな役割と、選手時代より増えた移動【中嶋一貴TGR-E副会長インタビュー前編】

 2021年限りでレーシングドライバーを引退した、3度のル・マン・ウイナーにして4輪初の日本人世界選手権覇者、中嶋一貴。昨年末、その引退発表と同時にトヨタGAZOO Racing・ヨーロッパ(TGR-E)の副会長に就くことが明らかにされ、“異色のセカンドキャリア”を歩むこととなった。

 1月の就任以来、一貴副会長はドイツ・ケルンをベースにWEC世界耐久選手権やWRC世界ラリー選手権の現場に赴き、さらにその合間には日本を4往復するなど、多忙な日々を送っている。

 2022年9月、WEC第5戦富士のために来日した一貴副会長に、新たな仕事内容やこれからのビジョンなど、じっくりと話を聞くことができた。

■多岐にわたる副会長の仕事

ブリーン、ラリージャパンは新コドライバーのフルトンと参戦へ。ネイグルはWRCスペインで引退

 WRC世界ラリー選手権に参戦しているMスポーツ・フォードWRTは10月11日、次戦スペインをもって引退するポール・ネイグルに代わり、ドイツ人のジェームス・フルトンがクレイグ・ブリーンの新たなコドライバーに指名されたことを明らかにした。新しいペアは最終戦ラリージャパンで初陣を戦うことになる。

 この新しいコンビの結成は、ネイグルが今シーズン途中でのコドライバー引退を発表したことを受けてのもの。44歳の彼は、10月20~23日に開催されるWRC第12戦ラリー・スペインを最後にキャリアにピリオドを打つ。

【動画】10年ぶりの母国ラリー優勝をかけて戦った、ふたりのニュージーランド人WRC2ドライバー対決

 2012年以来、ニュージーランドで10年ぶりに開催されたWRC世界ラリー選手権『ラリー・ニュージーランド』のWRC2クラスでは、地元出身のヘイデン・パッドン(ヒョンデi20 Nラリー2)が優勝。このイベントでWRCデビューを飾ったシェーン-ヴァン・ギズバーゲン(シュコダ・ファビアR5)がクラス3位となり、ふたりのニュージーランド人ドライバーが表彰台に立った。この両名が僅差の戦いの繰り広げた、SS16のオンボード映像がシリーズ公式YouTubeチャンネルで公開されている。

 ラリー初日からクラス首位に立ったパッドン。ヒョンデの元ワークスドライバーである彼は序盤の3ステーレジ連続ベストを皮切りに、その後もクラス2位以上のタイムを並べ、一度もクラスリーダーの座を譲ることなく地元ラリーNZで“完全優勝”を飾った。

急きょ延期となったNHKのWRC番組が10月9日放送へ。日本GPに合わせホンダF1特集の再放送も

 当初、10月2日(日)に放送が予定されていたものの、番組編成の変更により延期となっていた『WRC世界ラリー選手権2022 第6~9戦 第6戦サファリ 第8戦フィンランド』が10月9日(日)にNHK BS1で放送される。

 同番組は、ラリー競技の世界最高峰カテゴリーであるWRCのシーズンを4つのパートに分け、同シリーズをトヨタGRヤリス・ラリー1で戦うTOYOTA GAZOO Racing WRTを中心に振りかえるもの。

WRCラリージャパンを親子で楽しもう。開催市町住民対象の親子招待券プレゼント実施中

 WRC世界ラリー選手権第13戦『フォーラムエイト・ラリージャパン2022』の開催市町住民の親子を対象とした、サービスパーク親子招待券プレゼント・キャンペーンが、10月1日(土)より開始されている。

 ラリージャパン2022は愛知県と岐阜県の両県で、11月10日(木)から13日(日)にかけて実施されるWRC日本ラウンド。愛知県豊田市の豊田スタジアムを拠点に4日間にわたって開催される。

地元NZで10年ぶり開催。世界戦デビューのRSC王者SVGが、WRC2でいきなりの3位表彰台を獲得

 2012年以来、10年ぶりのニュージーランド開催となったWRC世界ラリー選手権第11戦『ラリー・ニュージーランド』に向け、オーストラリアを代表するツーリングカー・シリーズ、RSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップで2度のタイトル獲得を経験する“SVG”ことシェーン-ヴァン・ギズバーゲンが、旧型モデルのシュコダ・ファビアR5でWRC2クラスに参戦。畑の違うラリーの世界選手権デビューで、いきなりの3位表彰台を獲得する快走を披露した。

 RSCの強豪トリプルエイト・レースエンジニアリングのエースとして活躍し、レッドブル・アンポル・レーシングの97号車ホールデン・コモドアZBで今季もディフェンディングチャンピオンとしてシリーズを牽引するSVGは、2020年の新型コロナウイルス(COVID-19)蔓延で世界各国で巻き起こった『eスポーツ勃興期』には、世界中のバーチャルカテゴリーで躍動。