プジョー9X8は軽量化、トヨタは出力微減の調整。WEC最終戦バーレーンのBoPが発表

 今週11月10日に開幕するWEC世界耐久選手権2022年シーズンのフィナーレに向け、ハイパーカークラスとLMGTEクラスのBoP(バランス・オブ・パフォーマンス)が発表された。トップクラスを戦う『プジョー9X8』は、第6戦バーレーンで軽量化が認められた一方、前戦富士6時間レースで圧勝したトヨタのハイパーカーは若干の出力制限を受けている。

 FIA国際自動車連盟が発表したハイパーカーBoPテーブルによると、プジョーの最低重量は1049kgとなっており、第5戦富士の設定から12kgの軽量化が図られている。一方、“ウイングレス”のハイパーカーはスティントあたりの最大エネルギー量が1MJ減り908MJとなった。

緊迫の“同点決戦”に臨むトヨタ「気持ちを楽にして、レースウイークを迎える」と平川亮/WEC第6戦

 TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は11月10日(木)から12日(土)にかけて中東バーレーンで行われるWEC世界耐久選手権の2022年最終戦、第6戦バーレーン8時間レースで、シリーズタイトルをかけた大一番に臨む。

 WECのハイパーカーカテゴリーは、今季ここまで5戦にわたる激戦を続けられてきたが、マニュファクチャラーとドライバーのチャンピオン争いは、共にバーレーン・インターナショナル・サーキットで開催される最終戦へと持ち込まれた。

ストフェル・バンドーンらがプジョー9X8をドライブへ。WECルーキーテストのエントリー発表

 WEC世界耐久選手権は、2022年最終戦決勝翌日の11月13日にバーレーン・インターナショナル・サーキットで行う恒例の『ルーキーテスト』のエントリーリストを11月4日付で公開した。WECにレギュラー参戦する22台の車両が記載されており、参加ドライバーには注目の名前も散見される。

 ハイパーカークラスのプジョー・トタルエナジーズは、2台のプジョー9X8をエントリー。レギュラードライバーのミケル・イェンセン、最終戦からラインアップに加わるニコ・ミューラーのほか、4名の“外部”ドライバーがエントリーしている。

最終戦バーレーンの最新エントリーリスト発表。グンナー・ジャネットが3年ぶりにWEC復帰へ

 WEC世界耐久選手権は10月26日、来月開催される2022年シーズン最終戦『バーレーン8時間レース』の最新エントリーリストを発表した。この中では暫定リストからいくつかの変更があり、グンナー・ジャネットのシリーズ復帰などが確認できる。

 ジャネットは、LMGTEアマクラスを戦うチーム・プロジェクト1の一員としてドライバーリストに名を連ね、11月9~11日に行われる第6戦バーレーンでWECに復帰することになった。この40歳のアメリカ人ドライバーはP.J.ハイエット(フィリップ・ハイエット)、ベン・バーニコートとともに56号車ポルシェ911 RSR-19をシェアする。

ポルシェLMDhに加入か。ニック・タンディが2022年限りでコルベット・レーシング離脱へ/WEC

 11月に開催されるWEC世界耐久選手権の2022年シーズン最終戦バーレーン8時間レースをもって、ニック・タンディが2年間を過ごしたコルベット・レーシングを去ることが明らかになった。

ロシターと交代。プジョー加入のニコ・ミューラー、WEC最終戦でのハイパーカーデビューが決定

 プジョーは、11月10~12日に開催されるWEC世界耐久選手権のシーズンファイナルで、新加入のニコ・ミューラーがフランスのLMH(ル・マン・ハイパーカー)メーカーからデビューすることを確認した。

 Sportscar365が以前報じたように、先月プジョーに加入し2023年のレースシートを獲得した元アウディワークスドライバーであるミューラーは、来月のバーレーン8時間レースでジェームス・ロシターに代わって94号車のプジョー9X8をドライブすることになった。

“エンジン直撃”の衝撃シーンをニック・キャシディに聞く「フェラーリの安全性に感謝」/DTM

 2015年から2020年まで日本を拠点にしてスーパーGTとスーパーフォーミュラで活躍したニック・キャシディ。

 その後ヨーロッパへ活動の拠点を移し、今季はエンビジョン・レーシングからフォーミュラE、レッドブル・アルファタウリ・AFコルセのフェラーリ488 GT3 EvoでDTMドイツ・ツーリングカー選手権、そして同じくAFコルセのフェラーリでWEC世界耐久選手権と、1シーズンに3つのシリーズを掛け持ち、非常に多忙な時間を過ごした。

■2勝したDTMで「チャンピオンになってみたい」

代表を兼ねる可夢偉への敬意。“平川の次”の若手は「自覚と準備次第」【中嶋一貴TGR-E副会長インタビュー後編】

 2021年限りでレーシングドライバーを引退した、3度のル・マン・ウイナーにして4輪初の日本人世界選手権覇者、中嶋一貴。昨年末、その引退発表と同時にトヨタGAZOO Racing・ヨーロッパ(TGR-E)の副会長に就くことが明らかにされ、“異色のセカンドキャリア”を歩むこととなった。

 1月の就任以来、一貴副会長はドイツ・ケルンをベースにWEC世界耐久選手権やWRC世界ラリー選手権の現場に赴き、さらにその合間には日本を4往復するなど、多忙な日々を送っている。

 副会長としての新たな仕事内容などについて聞いた前編につづき、この後編ではWECチーム代表を兼ねる小林可夢偉や、今季最高峰クラスにデビューした平川亮、さらにその先のドライバー育成などについて、話を聞いた。

フェラーリのLMH開発は「順調に進んでいる」とピエール・グイディ。テスト走行距離は1万kmを突破

 フェラーリのワークスドライバーであるアレッサンドロ・ピエール・グイディは、2023年のWEC世界耐久選手権ハイパーカークラスに登場する予定のフェラーリLMHマシンについて、車両開発がテストプログラムの進行とともに「正しい方向に進んでいる」と感じている。

 トヨタやプジョーのハイパーカーと同様に、ハイブリッドシステムを搭載するフェラーリLMHは、7月にフィオラノで行われた一連の初期テスト以来、いくつかのトラックテストでラップを重ねてきた。直近ではポルティマオを訪れ、メーカーによると総走行距離は1万kmを超えたという。