ついに“プレーオフ”ドライバーが制圧。チェイス・エリオットが今季最多5勝目/NASCAR第31戦

 10月1~2日の週末に、アメリカはアラバマ州タラデガ・スーパースピードウェイで開催された2022年NASCARカップシリーズ第31戦、プレーオフ“ラウンド・オブ12”の2戦目ともなる『イェラウッド500』は、ラストラップ・バトルでライアン・ブレイニー(スチュワート・ハース・レーシング/フォード・マスタング)を退けたチェイス・エリオット(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)が、今季最多となるシーズン5勝目を獲得。

 プレーオフ突入からここまでの4戦すべてで“非進出ドライバー”が勝利を挙げる前例のない展開を打ち破ったエリオットは、自身にとっても前戦のクラッシュで失ったポイントリーダーの座をわずか1戦で取り返す、起死回生のトップチェッカーとなった。

大逆転のルーベンス・バリチェロがマティアス・ロッシを従え今季3勝目を獲得/SCB第9戦

 9月23~25日の週末に開催された2022年SCBストックカー・ブラジル“プロシリーズ”第9戦は、予選最速を記録したシリーズ3冠のリカルド・マウリシオ(ユーロファーマRC/シボレー・クルーズ)が、レース1でファステストを記録してのポール・トゥ・ウインを達成。続くレース2では2014年王者ルーベンス・バリチェロ(フルタイム・スポーツ/トヨタ・カローラ)が、TOYOTA GAZOO Racingブラジル陣営のマティアス・ロッシ(A.マティス・フォーゲル/トヨタ・カローラ)を従え、トヨタがワン・ツー・フィニッシュを達成。マウリシオとバリチェロはともに今季3勝目となり、オープニングヒートでも2位表彰台を獲得していた“鉄人”が、ランキング3位に浮上している。

 ブラジル最南端リオグランデ・ド・スル州の中心部に位置する、サンタクルス・ド・スル国際サーキットで争われた1戦は、最初のプラクティスからカローラが速さを見せ、ラファエル鈴木(フルタイム・バッサーニ/トヨタ・カローラ)を先頭に、バリチェロとロッシがトップ3の位置を固める出だしに。

Juju、初の市街地レースへ「ブレーキが得意なので、レイアウトに苦手意識はない」角田裕毅とも対談/Wシリーズ通信第6戦

 7月下旬に行われたハンガリー戦後、Wシリーズはシンガポール戦まで長い夏休みに入っていた。しかし、この間もJuju(野田樹潤)はレースを戦っていた。9月10日と11日にはチェコのブルノで開催されたドレクスラーカップ第7戦に参戦。2回行われたレースで共にクラス優勝を果たし、表彰台の真ん中で久しぶりに君が代を聞いた。

 その翌週の9月17日と18日はイタリアのバレルンガでトップジェットF2000フォーミュラ・トロフィに参戦。Wシリーズで使用しているフォーミュラ・リージョナルのマシンで参戦したJujuは、200kgも軽いダラーラ勢を相手に苦戦を強いられ、レース1は4位、レース2は5位に終わった。

SLRのジョン・フィリピが雨の高速戦で勝利。ネストール・ジロラミも初戴冠に王手/TCRヨーロッパ第6戦

 9月23~25日にイタリア伝統の高速トラック、モンツァで開催された2022年TCRヨーロッパ・シリーズ第6戦は、雨絡みの予選で自身約2年ぶりのポールポジションを獲得したジョン・フィリピ(セバスチャン・ローブ・レーシング/クプラ・レオン・コンペティションTCR)が、続くレース1でも一時ポジションを奪われながらも逆襲に転じ、難コンディションのなかポール・トゥ・ウインを達成。リバースグリッドのレース2は、選手権リーダーのフランコ・ジロラミ(コムトゥユーPSSチーム・アウディスポーツ/アウディRS3 LMS 2)が制し、最終戦を前にしてタイトルに王手を掛けている。

TGRカローラのブッチャーが2年連続ポールから完勝。BMW、ヒョンデも勝利で大混戦に/BTCC第9戦

 9月24~25日の週末にシルバーストンのナショナル・レイアウトで争われたBTCCイギリス・ツーリングカー選手権第9戦は、2年連続ポールポジションを獲得したTOYOTA GAZOO Racing UKのロリー・ブッチャー(トヨタ・カローラGRスポーツ)が、レース1でポール・トゥ・ウインを達成。続くレース2はジェイク・ヒル(MBモータースポーツ・パワード・バイ・ロキット/BMW 330e Mスポーツ)が、最終レース3はトム・イングラム(ブリストル・ストリート・モータース・ウィズ・エクセラー8・トレードプライスカーズ.com/ヒョンデi30ファストバック Nパフォーマンス)がともに制し、タイトル候補たちが最後の追い込みに向けスパートを見せる結果に。

 一方で、3ヒートを通じて尻上がりに調子を上げ、最後は2位表彰台に喰い込んだ王者アシュリー・サットン(NAPAレーシングUK/フォード・フォーカスST)が、わずか5点のマージンでふたたび選手権首位を奪還したのに対し、この週末までリーダーを守ってきた“4冠王者”コリン・ターキントン(チームBMW/BMW 330e Mスポーツ)は、最終戦を前にランク4位まで後退する厳しい展開となっている。

年間13回目のポール新記録、ノルベルト・キスが圧巻の戦績でシリーズ連覇を達成/ETRC第7戦

 9月24~25日にフランスのル・マン、ブガッティ・サーキットで争われた2022年ETRCヨーロピアン・トラック・レーシング・チャンピオンシップ第7戦は、開幕から快進撃を続けるハンガリー出身の王者ノルベルト・キス(レベス・レーシング/MAN)が、いつもどおり土日ともに予選ポールポジションを獲得。年間新記録を樹立するとともに日曜レース3で勝利を飾り、シリーズ連覇に華を添える結果に。最終戦を前に、キスにとってもキャリア通算4回目のタイトル獲得となった。

 同月上旬のベルギー・ゾルダー戦では、サッシャ・レンツ(SLトラックスポーツ30/MAN)やシリーズ6冠を誇る“帝王”ヨッヘン・ハーン(チーム・ハーン・レーシング/イベコ)、そして2017年王者アダム・ラッコ(バギラー・ZMレーシング/FREIGHTLINER)などライバルの巻き返しに遭い、週末“わずか1勝”に留まっていたキスだが、迎えたフランスでの1戦も予選から容赦ないスピードを見せつける。

チーム代表との直接対決を制し、エイドリアン・タンベイが初代世界王者に/ETCR最終戦

 TCRドイツ・シリーズやADAC GTマスターズとの併催イベントとして開催された電動ツーリングカー選手権、FIA ETCRことeツーリングカー・ワールドカップの第6戦は、開幕からシリーズを席巻してきたマティアス・エクストローム(クプラe-Racer)率いるクプラEKS陣営の直接対決構図に。

 結果、前年パイロットシーズンの王者であり、チーム代表でもあるエクストロームを圧倒したエイドリアン・タンベイ(クプラe-Racer)が、週末最多得点者“King of the Weekend”を獲得すると同時に、創設2年目でFIA格式の世界選手権に昇格したシリーズで自身初の”ワールドチャンピオン”に輝いた。

インディカー2023年のレースカレンダーを発表。2022年を踏襲する全17戦、デトロイト戦はダウンタウンで開催

 NTTインディカー・シリーズは、27日に2023年のレースカレンダーを発表。2023年もセント・ピーターズバーグで開幕し、最終戦のラグナセカまで全17戦で争われる。

プレーオフ“脱落組”のタイラー・レディックが波乱に満ちた長い1日を制し3勝目/NASCAR第30戦

 プレーオフもいよいよ第二段階、16名から12名に絞られた“ラウンド・オブ12”初戦となった2022年NASCARカップシリーズ第30戦『オートトレーダー・エコパーク・オートモーティブ500』は、今季頻発するワンメイクタイヤ“バースト”による長いドラマとなった1日を乗り切り、タイラー・レディック(リチャード・チルドレス・レーシング/シボレー・カマロ)が今季3勝目を獲得。前戦のマルチクラッシュにより、僚友のオースティン・ディロン(リチャード・チルドレス・レーシング/シボレー・カマロ)とともにプレーオフ進出権を逃していたレディックが、この日最多の77周をリードしてカップ戦オーバルでの初勝利を収めている。

世界戦代表のプジョーが勝利。初代王者のアウディも今季11人目の勝者に/TCRオーストラリア第6戦

 8月上旬以来の開催となった2022年TCRオーストラリア・シリーズ第6戦サンダウンは、豪雨の週末に3ヒートが争われ、ギャリー・ロジャース・モータースポーツ(GRM)のアーロン・キャメロン(プジョー・スポールGRMチーム・バルボリン/プジョー308 TCR)が、レース1でポールシッターのジェイ・ハンソン(AWC MPCレーシング/アウディRS3 LMS 2)を出し抜き今季3勝目をマーク。

 同じく視界不良の日曜レース2は、ベン・バルグワナ(バーソン・オートパーツ・レーシング/プジョー308 TCR)が最終ラップ最終コーナーの攻防を制し、ファイナルヒートでは2019年の初代王者ウィル・ブラウン(リキモリMPCレーシング/アウディRS3 LMS)が見事なカムバックを披露、今季11人目のウイナーに輝いた。